芝井街宿屋の主人・泉屋健蔵は、外感七八日解せず、往来寒熱、舌上乾燥、心下煩満、大便微溏、脈浮数、精神半昏暈。
小柴胡湯に黄連茯苓を加え、煩満は解すも渇益ます甚し。
茯苓を除き知母・麦門冬を加える。
渇きは止んだが、身熱のみ去らず、肌は枯れ痩せ、労疫の様相を呈した。
呉氏柴胡養栄湯(生地黄を用いる)を投与すると、津液が旺盛になり、熱は完全に解けた。
この患者は平素より肝気が特に盛んで、凶夢が多く熟睡できなかったが、病後この症状が特に顕著となったため、加味帰脾湯を投与し、併せて牛黄清心丸を用いることで痊癒を得た。
※柴胡養栄湯《温疫論》:方函「治表有余熱、血燥。柴胡、黄芩、橘皮、甘草、当帰、芍薬、地黄、知母、天花粉、生姜、大棗、右十一味。」
後の清燥湯と伯仲にして、下後胃中の津液乏くなりて、余熱未た除かず。動もすれは再び胃に陥んとする勢ある者が、清燥湯なり。下後血液枯燥して余熱之か為に去る能はざる者が此方なり。傷寒大勢解後、往々此場合あり。下後に拘はるべからず。